トーチカ「トイレのラクガキ」

トーチカ「トイレのラクガキ」
場所:若草公園(中央町2-4) MAP⑥

夕暮れ時になると、公園のトイレの外壁に張られた鏡の向こうにラクガキをする人々の姿が映し出されます。
 


トーチカ TOCHKA

メディアアーティスト。ナガタタケシとモンノカヅエによる1998年より活動を始めたクリエイティブユニット。ともに1978年生まれ。様々な手法を用い、商業フィルム、現代美術など業界の垣根を超えて活動を行う。どのような制作においても「実験的精神」を掲げ。試行錯誤の中から、ハッピーアクシデント(偶発的な幸運な出来事)を誘う。
 


 

鈴木ヒラク「点が線の夢を見る」

鈴木ヒラク「点が線の夢を見る」
場所:大分市中央通り線地下道 MAP⑧

市道中央通りの両端をつなぐ、全長約30mのチューブ状の地下道。4つの入り口から階段を降りると、全面シルバーの壁や天井に、巨大な黒の楕円が配置された、洞窟のような空間が広がります。そこには、路上の交通標識などにも用いられるリフレクター(反射板)や、シルバーのインクによって描かれた、無数の未知なる記号たちが光を反射しています。このチューブの中を人々が行き来することによって、こちら側と向こう側/闇と光/過去と未来といった対極がつながれ、日常の時空間に新たな線が生成されます。
 


鈴木 ヒラク SUZUKI Hiraku

1978年宮城県生まれ。神奈川県出身。アーティスト。
東京芸術大学大学院美術研究科修了後、シドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなどの各地で滞在制作を行う。ドローイングを線の発掘行為と捉え、平面・彫刻・映像・パフォーマンスなどの様々な手法でドローイングの領域を拡張し続けている。これまで国内外の美術館で多数の展覧会に参加。2016年よりドローイング研究のためのプラットフォーム『Drawing Tube』を主宰。音楽家や詩人らとのコラボレーションやパブリックアートも数多く手がける。主な作品集に『GENGA』(2010年)、『SILVER MARKER―Drawing as Excavating』(2020年)などがある。現在、東京芸術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス准教授。
 


 

谷川広人「廻る」

谷川広人「廻る」
場所:親進舎ガレージ(中央町3-2-21) MAP③

どっしりと腰をおろした、高度成長時代から町を見下ろすフンドーキンマンションと雰囲気のある大きな倉庫。そしてその側にある錆びたガレージのシャッター。この場所に壁画の依頼をいただいたとき、レトロな空気が流れる佇まいに昭和の良き時代を追想しました。
昨今の私の作品のテーマは「命 絆 愛」です。ためらいなく題材は浮かんできました。和を意識した色彩と生き物達で、この佇まいに新しい息吹をもたらしたい。時代とともに、あらゆるものがどんなに進化しようとも、この素朴な想いは未来永劫忘れてはなるまい。
制作中には、行き交う多くの人々から声をかけて頂きました。素朴な質問や絵画談義、中には周りの風景が明るくなって側を通るのが気持ちが良いとの声もあり、嬉しく思いました。はっきりしない天候や台風に悩まされましたが、皆様の温かい気持ちで救われました。

 


谷川 広人 TANIGAWA Hiroto

1954年山口県出身。大分県佐伯市在住。画家。1976年より独学で油絵を描き始める。1984年より制作を止め約20年のブランクを経て個展、公募展、グループ展に出品し現在に至る。絵を描く傍ら、鉄や無垢材を使った店舗の照明や家具等のモノ創りなどで活動している。佐伯市にてタイトル『佐伯竜宮』縦4.3メートル、横約70メートルの壁画を制作。大分県美術協会会員。新潮流の会会員。二起会出品。
 


 

宮崎勇次郎「NEW WORLD 府内富士」

宮崎勇次郎「NEW WORLD 府内富士」
場所:金剛ビル(府内町2-6-14) MAP⑫

金剛ビルに制作した壁画「NEW WORLD」は、銭湯の背景画を基に描いています。銭湯は、老若男女、人種、お金持ちな人やそうでない人、色々な思想を持った人など、様々な人がみな衣服を脱ぎ生まれた時の姿で入浴しています。私はそんな銭湯を経営している家で育ちました。そこでは知らない者同士が湯船に浸かり会話をしながら一日の疲れを癒します。私も色々なお客さんと会話をし、数の数え方や、九九、雑学など多くの事を学び多くの人と出会いました。今回の壁画は「おんせん県おおいた」という土地柄、銭湯のように様々な場所で暮らす人々の出会いの場、多くのモノや事との出会いの場になればと思い制作しました。
 


宮崎 勇次郎 MIYAZAKI Yujiro

1977年大分県大分市出身。東京都在住。背景絵師。
2001年に東京造形大学美術Ⅰ類を卒業。2005年の「トーキョーワンダーウォール公募2005」トーキョーワンダーウォール大賞を皮切りに、2007年に平面作家の登竜門である「VOCA展2007」に出品、2013年に「Look East!-Japanese Contemporary Art-」ギルマンバラックス(シンガポール)、2017年に静岡県立美術館で行われた『アートのなぞなぞー高橋コレクション展ー共振するか反発するか?』に出品している。2015年には「おおいたトイレンナーレ」に参加もするなど、国内外で作品を発表している。
 


 

芳賀 健太「ゆめつくり虫~DOROBACHI STORY~」

芳賀 健太「ゆめつくり虫~DOROBACHI STORY~」
場所:岩尾ビル(中央町2-6-23) MAP④

建物の形がドロバチという蜂の巣に似ていたところから発想を広げ、ドロバチを主人公にした物語を描いています。ドロバチは、青虫をエサとして子どもに与え育てるそうです。偶然にも2013年「ゆめつくり虫」という壁を食べて夢の世界を作り出す架空の虫(青虫)を主人公とした絵本を制作していたので、今回はエサとして捕まえられたゆめつくり虫とドロバチが織りなす話になっています。
壁の右側のドロバチの作った穴からは、現代の人間社会が見え、左側にはゆめつくり虫が大分県の風景を見せてくれます。技術の進化と、自然が教えてくれる大切な事。相反する2匹が創り出す景色を通じて、生きるということを感じて頂ければ幸いです。

 


芳賀 健太 YOSHIGA Kenta

1983年兵庫県生まれ。大分県大分市在住。画家。
2005年大分県立芸術文化短期大学美術専攻科修了。2005年より空間ペインターを屋号として、「人の喜びをカタチに」をコンセプトに、紙やキャンパスに描くだけでなく、壁、床、車や芝生まで、あらゆるものに制作し、空間を彩る画家として活動している。2007年より個展・グループ展を大分、福岡、東京、NYなど毎年多数開催。2009年より様々なミュージシャンとライブペイントを始める。2012年より3Dトリックアートを手掛ける。大分空港、大分県豊後大野市の全ての道の駅等。2015年~クリエイター集団POOMPクリエイターズ代表。
 


 

トマリ アサミ「WE ARE HERE, BABY . 」

トマリ アサミ「WE ARE HERE, BABY . 」
場所:福田ビルシャッター(中央町2-7-21) MAP②

トマリアサミは以前、カバン屋だった店のシャッターにさまざまな人種の女性の群像を描いた。この店舗が、お洒落をした人々が集まり、賑やかに過ごしていたと聞き、自分の好きなスタイルを楽しむ人々が堂々と歩ける場所になればと思いながら制作したという。コロナ禍によって、人が集まり騒ぐことができない状況の中、「自信を持って好きなことを好きだと言っていこう」というメッセージを発しながら、大分の若い世代やこの絵の前を通る人々にとって、お守りのような絵になればという思いで描いた。この場所に住んでいる人々が、世代を問わず一丸となれるように、大分を象徴するモチーフをちりばめた。
 


トマリ アサミ TOMARI Asami

1993年宮崎県出身。アーティスト。大学卒業後、ニューヨークに1年ほど滞在し制作活動を開始。多種多様な人々が集まるニューヨークでの生活を通しながら“身体的特徴によらない人々の美しさ”や日本文化を意識した作品を描き始める。現在は大分市の旧野津原中部小学校を活用したアトリエに制作場所を設け、ペインディングとインスタレーションを中心とした作品を制作している。
 


 

前田 信明「2021 OITA PROJECT-VERTICAL AND HORIZONTAL」

前田 信明「2021 OITA PROJECT-VERTICAL AND HORIZONTAL」
場所:府内わっぱ食堂東側壁面(府内町3-2-25) MAP⑩

前田信明は大分市府内五番街商店街に面したビルの駐車場側(東側)の壁面に7m×22mの巨大壁画を制作。イエロー、セルリアンブルー、ライトグリーン、コバルトブルーの4色は国旗のような象徴性を感じる。そこに私たちの存在を表す、重力の垂直性と大地を意味し、世界が続いていく感覚を導く水平性を意識させた垂直と水平のガイドラインを引き、淡く溶かれた絵の具を画面に置きながら刷毛でコントロールしていく。絶対的な空間が立ち現れるまで、その行為は何十回となく繰り返され、時間と共に画面は熟成されていく。壁面という支持体自体が色彩と一体化したオブジェクトとして現前する。それは、今、ここから開かれた未来世界へ向かう大分スピリッツのメッセージである。
 


前田 信明 MAEDA Nobuaki

1949年熊本県生まれ。美術家。中学・高校の教諭を経て、九州産業大学造形短期大学部特任教授を務めた。自らが立つ大地によって、重力という垂直性、地平・水平線という世界が続いていく感覚。その広がりの空間による純粋抽象を一貫して研究。GALLERY SHILLA(テグ・ソウル/韓国)の所属作家として国内外で個展開催、企画展に多数参加。
 



 

snipe1 「aALGORITHM」

snipe1 「aALGORITHM」
場所:若竹ビル西側壁面(府内町2-4-8) MAP⑪

日本人グラフィティライターの先駆者snipe1の巨大壁画が若竹ビルに完成した時、界隈の雰囲気が大きく変化し、若者の注目を浴びた。この同じビルの横にはブーゲンビリアが大輪の花を咲かせ、通りにスタイリッシュな店舗が立ち並ぶ大分のサブカルチャーの発信地でもある。snipe1は、ブーゲンビリアの花や葉の色彩と響き合うローズ系やグリーンを主調色としたスプレーワークを駆使して熱気あふれるグラフィティを展開。作品のテーマはアルゴリズム。「『計算可能なもの』を計算する手続き」によって人々の嗜好や考えまでもコントロールするAIコンピューターやSNSのヴァーチャルな世界への警告をし、自らのリアルな感覚の重要性を訴える。こうした作者のメディアとメッセージがまちを刺激し話題のスポットとして新たな文化を創っていくのだろう。
 


snipe1

1974年東京都生まれ。アーティスト。NYグラフィティ界に10代で身を投じ、世界中のグラフィティコミュニティを巡りコネクションを築いた後に帰国。ストリートカルチャーの感性に基づきながらも、グランジとも言うべき「汚さ」のエッジを取り入れた、ダーティ且つ誰にも似ない独自なスタイルを貫く。
 


 

こっちゃん「にじいろの水族館」

こっちゃん「にじいろの水族館」
場所:大一ビルシャッター(中央町1-3-12中央町商店街内) MAPⒷ

商店街の中に水族館があったら、何げない日常が少し特別なものになるかもしれない。水族館をテーマに、大きな海の生き物から小さな生き物まで見つける楽しさも含め、見た人が少し嬉しくなるような、そんな気持ちも込めて描きました。
 


こっちゃん  Kotchan

1993年大分県生まれ。本名は小島ひとみ。イラストレーター。2021年よりイラストレーターとして別府、大分を拠点に活動中。初の個展『にじいろ』から“にじいろこっちゃん”として呼ばれるようになる。虹を感じさせる作品が特徴。コンセプトは“にじいろの魔法”見た人が少し元気になるような優しくあたたかい作品作りを目指している。


 

塙雅夫「見護る牡丹」

塙雅夫「見護る牡丹」
場所:キムラヤビル西側壁面(中央町3-6-10) MAPⒶ

「花」は自然による美しさの究極の発露。そんな「花」がほんのりと空色を纏い街を見護る。世界は美しい場所だと思い出すきっかけになるよう、固い建築物が柔らかく変容するように一輪の牡丹を描きました。
 


塙 雅夫 HANAWA Masao

画家。壁画家。イタリアで教会壁画の制作や修復に携わり、大型テーマパークでは壁画ディレクターを務めた。多くの映画・ドラマの美術制作に関わる。2013年公開の映画『清須会議』(三谷幸喜監督)では、会議の舞台となる大広間の障壁画を担当。2014年5月公開の映画『万能鑑定士Q─モナ・リザの瞳─』(綾瀬はるか主演)では、精巧なモナ・リザのレプリカを制作した。映画撮影所「東宝スタジオ」には『七人の侍』と『ゴジラ』の巨大壁画を制作。


 

井川 惺亮「Peinture」

井川 惺亮「Peinture」
場所:小鹿公園トイレ壁面(末広町2-3-13) MAP⑦

宝石箱のようなトイレの装飾壁画の制作を描きます。明るい原色に包まれた公園トイレは絵となり、色と色は人々に活気を与え、小鹿公園と周辺では、子どもも大人も歓喜に溢れ、輝くトイレを見守っているようです。
 


井川 惺亮  IKAWA Seiryo

1944年内モンゴル生まれ。現代美術家。東京藝術大学大学院修了後フランス政府給費生として1975年渡仏し、マルセイユ美術学校でクロード・ヴィアラ氏に師事。帰国後個展を発表しながら、1984年から長崎大学にて後進の指導にあたる。時に壁面のない漂う空間に挑みつつインスタレーションを試みる。また壁に戻る作品へと向かい、その手法と表現の姿は変化し続けている。



 

大平 由香理「時を游ぐ」

大平 由香理「時を游ぐ」
場所:ふないアクアパーク南側溝口ガレージ壁面(府内町2-3) MAP⑭

アクアパークは水や時の流れをイメージしていることから、この作品が太古から脈々と受け継がれてきた水のように、これまでやこれからを繋ぐようなものになってほしいと願いを込めて、魚が公園内を回遊している様子を描きました。
 


大平 由香理 OHIRA Yukari

1988年岐阜県生まれ。画家。2014年より別府市にあるアーティスト・クリエイターのための住居『清島アパート』に入居。自身が出会った風景と、そこから派生する空想的な光景を組み合わせながら壮大な物語を描いている。主な展覧会に2015年「末広温泉浴場壁画制作」(大分)、2017年「北アルプス国際芸術祭」(長野)、2018年「VOCA展」上野の森美術館、2019年「アーティストインレジデンスつなぎ」(熊本)がある。
 


 

国本 泰英「Scene」

国本 泰英「Scene」
場所:Bスクエアビル西側壁面(府内町1-6-43) MAP⑮

自分で撮った写真やオンライン上の画像等、様々なメディアから抜き出した人物の輪郭を寄せ集め、描き加えて群像図に仕上げ、そこに現れる何かのシチュエーション(のようなもの)に、街で行き交う人々を重ねました。
 


国本 泰英 KUNIMOTO Yasuhide

1984年大分県生まれ。画家。2006年九州産業大学芸術学部美術学科絵画コース卒。国内外での展覧会、アートフェア等を中心に作品を発表している。自身の生活を取り囲む情景や、インターネット、雑誌などで得た様々なイメージの中から人を捉えた絵画作品を制作。『個』と何物でもない『何か』との間を往還する曖昧な存在としての『人』を主題としている。
 


 

かおなし まちす「歌舞伎」

かなおし まちす「歌舞伎」
場所:なかの座シャッター(中央町3-6-2 ガレリア竹町内) MAP①

ラグビーの声援と歌舞伎の掛け声のイメージがリンクし、そこに大分名物や大漁旗のイメージを落とし込みました。
 


かおなし まちす KAONASHI Machis

1987年大分県生まれ。画家・パフォーマー。11年前より別府・大阪を中心に芸術活動開始。絵と笑いの絡む場所に出没中。
 





 

大分市でしか見ることができないアート。
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