八女茶~八女茶発祥600年~
福岡県が誇る八女茶は、2023年に発祥600年という節目を迎えます。1423年室町時代、明国(現・中国)で禅の修行を終えた栄林周瑞禅師が筑後国鹿子尾村(現・八女市黒木町笠原)の庄屋「松尾太郎五郎久家」に茶の種子を与え、製茶技法とともに一般に伝え広めたことが「八女茶」のはじまりとされています。
長い歴史の中で大切に育てられた八女茶は香り豊かで味は濃厚、まろやかで“こく”があるのが特長です。
日中と夜間の温度差が大きく、適度な降水量の八女地域は茶の栽培に最適で、特に「玉露」の評価は高く、全国茶品評会の「玉露の部」では、22年連続で「産地賞」を受賞しています。なかでも、「八女伝統本玉露」は、2015年(平成27年)地理的表示保護制度(GI)に、「茶」として初めて登録されました。「八女伝統本玉露」は玉露の最高峰と呼ぶにふさわしい逸品で、稲わらなどの天然資材を使った棚の被覆、手摘みによる収穫等、厳しい条件を満たして初めて名乗ることができます。
茶のくに八女では、八女茶発祥の地「霊巖寺」をはじめお茶にまつわる観光スポット、体験、イベントなど、お茶を知り、愉しみ、学ぶことができる取組みにあふれています。八女を訪れ、自分好みのお茶を探すのも旅の楽しみの一つにいかがでしょうか。
見渡す限りの緑の絨毯は絶景【八女中央大茶園(パイロット大茶園)】
八女中央大茶園はゆるやかな丘陵地に一面広がる茶畑です。
1969年から1973年にかけて、農村地域の過疎化や生活が困難になった農村社会を再設備するために「県営パイロット事業」として作られました。当時としては画期的な近代的造成方法で山林を改良、パイプやスプリンクラーなども使われていました。
頂上にある展望台から見る、見渡す限りの緑の絨毯は絶景で、天気が良い日には有明海や島原半島も一望できます。2023年2月には展望所にお茶カフェ「Green Monster」がオープンし、ドライブやサイクルの休憩スポットとしておすすめです。
八女中央大茶園(パイロット大茶園)
〒834-0015 福岡県八女市本
営業時間 終日
定休日 なし
http://yame810.com/
お問い合せ 0943-22-6359(八女中央茶共同組合)
お茶の認識が変わるほどの味わいを。お茶作り体験もあり【茶の文化館】
奥八女の一つとして知られる星野村の「茶の文化館」では、“お茶”を学び、味わい、そして体験することができます。
室町時代から始まり伝えられてきたとされるお茶の歴史を学びながらいただく最高品質の伝統本玉露「しずく茶」は、極上の香りと口の中にうまみが広がり、お茶の認識が変わるほどの味わいです。
体験メニューも豊富で「ほうじ茶作り」や「手もみ緑茶作り」なども楽しめます。
茶の文化館
〒834-0201 福岡県八女市星野村10816-5
営業時間 10:00〜17:00
定休日 火曜日(祝日、5月、夏休み期間中は開館)
https://www.hoshinofurusato.jp/tea/
お問い合せ 0943-52-3003((財)星のふるさと)
夏は涼しく、冬は暖かい。機能性に優れた日本三大絣のひとつ【久留米絣】
筑後地方に伝わる綿織物・久留米絣は日本三大絣のひとつとされ、江戸時代から長く伝わる伝統工芸品です。
柄の部分が白くなっているのが特徴で、柄を生み出すために糸の束を縛ったものを染めて、染めた束をまたほどいて糸にしたものを一本一本織ることで、一枚の織物に作り上げていきます。
綿素材の素朴な味わいに加え、夏は涼しく、冬は暖かいという機能性に優れているのも久留米絣の魅力です。最近ではその魅力が再認識され、着物だけでなくストールやバッグ、スニーカーなどの製品にも使われて現代のファッションとマッチした新たな価値を作り出しています。
洋室にも和室にも。さまざまな形で現代に馴染む【八女すだれ】
「八女すだれ」とは八女地方の竹材を使用し、規定の織機や技法を用いて、八女地方で製造されたものだけを言い、福岡県知事指定特産民工芸品にも指定されています。
すだれは平安時代から貴族が使っていた御簾(みす)が原型となっていて、八女地方では明治時代から竹細工用のヒゴが盛んに作られ、それを室内調度品として生産したのが「八女すだれ」 の始まりです。
室内にさらりと垂らすと、格調と品位ある雰囲気が和洋選ばず、お部屋の中に醸し出されます。
八女すだれ振興会(代表 株式会社鹿田産業)
〒834-0114 福岡県八女郡広川町太田428
お問い合せ 0943-32-1141
大人旅でも家族旅行でも楽しめる、伝統工芸や美味しいお茶に触れる体験は、これからの生活を豊かにするひと時になるかもしれません。