約200年の長い歴史を持つ久留米絣。くくった経（たて）糸と緯（よこ）糸を合わせた複雑な柄の素晴らしさ、また肌になじむ着心地の良さを最大の特徴に持ち、全国にその名が知れ渡っている綿織物である。「坂田織物」は、そんな久留米絣の織元。絣を使った加工品に特に力を入れている。久留米絣は、紫外線カット率が高く、家で洗濯できて型がくずれにくい上、だんだんと肌なじみがよくなっていく。日常的に身に着ける洋服などに、とても向いている織物なのだ。また、夏は涼しく、冬は保温性があるのでシーズンを問わず着こなせる。同織元では、洋服や帽子、サロン、日傘など多数の製品を作り上げている。常務であり企画担当の坂田憲子さんを中心に、社員みんなで考えるというデザインは、洒落ていて工夫がこらしてあるものばかり。ひとつの柄・デザインを大量生産するのではなく、その時の消費者のニーズに合うものをしっかり考えているという。その努力は身を結んでおり、同織元の日傘は、グッドデザイン賞を受賞している。もちろん、製品に使われる絣は、伝統の技をしっかり守った「本物」。「絣を作る30以上の工程、ひとつひとつが大切なんです」と坂田さん。染める、糸を巻く、くくる、織る…などそれぞれの職人が、熟練の技を駆使しひとつのものを生み出しているのだ。製品の購入は、直売もしくは電話にて取引先を確認してみて。直売の場合、加工品は2割引き、反物は3割引きで買うことができる。また、毎年11月の第4土・日曜に、創業祭を開催。一般開放しているので、ぜひ足を運んでみて。

※「かすりの里」は、登録商標です。